戻っていくべき世界が きっと 誰にでもある だから行方不明なのだ 電波塔の先は目立つが そこに和やかなおやつはないいろんなところに立ち寄ると 街は明かりと声で迎え入れてくれる あるいははじかれることもけっこう多い 家さえどこかよそよそしい 階段の一段は意外と高いのだ名も知らぬ緑の草の横を 名も知らぬ野良猫が一匹 にゃあと通りすぎてゆく そんなすれちがいかたが この世界のどこかにはある