月が綺麗ですね|詩

月が綺麗ですね|詩

月が綺麗ですね|詩

2022/2/9

何かを整えることを知ったとき、一番整っていないのは僕だった。川は流れるということを、川自身はいつ知ったのだろう。みずからを美しいと思っているのか、それとも汚いと思っているのか。海よりも綺麗に見えるのは、何かを洗い流しているように見えるからかもしれない。川そのものが綺麗だから、何かを洗い流せるのだと思わせておくれ。 自分が生まれたことを本当に知っている人なんて誰もいない。僕はこの世に本当に生まれたかはわからないし、本当に死ぬのかもわからない。死ぬ、らしい。「死ぬ」というよりも、「星になる」というほうが真実らしく聞こえる。それなら僕は、月にもっとも近い星になりたい。月にもっとも近いところで光って、太陽ではなくてこの僕が、あなたにわずかでも光を与えて、わずかでも輝かせてやりたい。 ただもうひとつ、矛盾を願うなら、生きたまま星になりたいということ。そのために、僕は僕自身の心をすこしでも綺麗にしよう。巨大な暗闇にのまれないように、ぴかぴかに磨こう。そうして、自分自身に願いをかけるのだ。僕自身が実は恒星でなかったとしても、彼方にある永遠を無視して、いま目の前にいるあなたを見つめていられるように。
僕は星になる。天の川よりも、ただ一点の星に。僕はこうしていま、生きているのだから。 あなたを愛しています。

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